Carly

真昼の女のCarlyのレビュー・感想・評価

真昼の女(2023年製作の映画)
3.4
東京国際映画祭6作品目。今年の最後はこれでした。
WWⅡというのでほの暗い映画を想像してたけど、ドイツが戦争に突入する前の華やかな狂騒を観られたのは良かった。バビロン・ベルリンぽさがあるよね。
ただ軍人のクソ旦那が本当にクズ過ぎてずっとイライラした。もう刺しちゃえよって思ってた(笑)亭主関白の権化で人権意識の欠片もない、自分で選択したことなのにその事実を何一つ受け止められない。極めて稚拙で幼稚な醜態を晒していて人間としてあまりに浅はか。
それでも(恐らく極めて賢い)彼女が、生きる為にその選択をしなければならなかったという現実。ユダヤ人として生まれてきた、ただそれだけのために彼女らが受けた傷はあまりに深く重いものだと思う。そして無邪気な子どもからの言葉にきっと酷く傷ついたに違いない。大事な話をする、と前置きをしても教え込まれた偽りで言葉を被せられた瞬間、彼女は自身の選択を決意したのだろう。
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