寄る辺なく、孤独を受け入れ生きてきたアダムの前に現れたのは亡くなったはずの両親。時を同じくしてマンションの隣人との運命的な出会い。伝えられなかった思い、叶えたかったはずの願い、人間の抱える普遍的なさびしさを肯定する作品。懐古的なので人を選ぶけど自分は好きだった。
孤独、喪失、愛と死、決して明るい映画ではないけれど優しい映画だと思う。一方で絶望的な映画という感想もわかる。孤独を受け入れてきたはずの男がすがりたかったものは何か。LiLiCoが本作を「人生の映画」と言ってたけど、わかる。この映画に対しては自分の気持ちを特に大切にしたいな。。
本作は説明不足でわかりづらい部分や不親切な点もあるけど、その不完全を補い、作品を完成させるのが見る人の人生経験。どんな感想になるか気になるので多くの人に見てほしい。一方であまり見て欲しくない気もする。そんな作品。
あと。本作は音楽の使い方が抜群に良い。blur「Death of a Party」、こんなに良い曲だっけな。演出と曲がハマっていて感動した。そしてPet shop boys「Always on my mind」、歌詞の意訳が素晴らしくて泣けた。
