おいちゃん

異人たちのおいちゃんのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
4.3
アンドリュー・ヘイにハズレなし。

舞台を浅草からロンドンに移し、お盆はクリスマスになっているが、意外にも大筋はほとんど改変なし。

郷愁を感じる物語はそのままに、家族を失った男の寂しさにゲイの物語を加える脚色がどハマり。
ただ時代に合わせて取り込むだけでなく、原作が持つ家族のドラマをがっつり補強する相互作用もあり、これは凄い。
「異人たち」というタイトルに含ませる意味合いがあまりにも多層的で深く、考えさせられる。

その時代を彩った楽曲たちも全てが意味を持ち、完璧なタイミングと使い方で流される。

全体的に昔の松竹版よりかなりしっかりした映画になっていた印象。
良いところをそのまま継承し、違和感は的確に良改変。
原作と松竹版は古い作品だが、これを現代に海外でリメイクする事でこんな傑作が生まれる例もあるというのは、とても素晴らしい話ではないだろうか。
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