ゴダール死去から一月。
ゴダール作品をなるべく時系列順に見かえしていくことにした。
いきなりだが長編処女作がなんだかんだ1番好きかもしれない。みずみずしくて、野心的で、難解さがない。
直裁的だけどそれは即興ではなく、つねに変化する映画づくりのプロセスから生まれた、各ワンシーンの息づかいが生々しい瞬間的生成。Vivre sa vie だ。
その奇跡みたいな生成をつくりだすスレッド状のこまかいシナリオシーケンス、コミックのようなカット割、ジャンプカット、音楽の使い方、中盤で挟まれるアパートのロングシーケンスという斬新な構成、ジャンルミックス、遊び心ある台詞、目線と顔芸。
見るたびに発見があり、発見しつくせない、汲み尽くせない魅力。映画史上の最高傑作の一つ。