なだ

相撲ディーディーのなだのレビュー・感想・評価

相撲ディーディー(2023年製作の映画)
5.0
東京国際映画祭にて

インド初の女性力士ヘタル・デイヴさんの事実に基づくストーリー。
タイトル訳『相撲ねぇちゃん』

インド映画で女性が主役の作品にはなかなか出会えない。
予想を超える良き作品でした。
ぜひまた劇場上映して皆さんに観てほしい。

太った体型をなじられ沈むヘタルに父は自信を付けさせるために柔道教室に通わせる。だが重量オーバーで柔道を諦める事に。

母からは結婚と見た目で脂肪吸引を勧められ八方塞がりのヘタルは、インドに来ていた横綱タオシの相撲を見て相撲の道を志す。

大半の日本女性は早くから相撲と歌舞伎は女人禁制と聞かされ、自分がやろうと思う方は少ないと思うが、ヘタルはすんなり相撲の世界に入ろうとする気持ちが凄いと思った。

男友達の理学療法士アクシャトが、ヘタルを理解して動画や練習に協力。
彼なくしてはヘタルは大会に出られなかっただろう。

世界女子相撲大会というのが開催しているとは知らなかった。
日本、ロシア、台湾など各国から女性力士が出場する中、インドの選手として出場する為には体を鍛えるだけではなくスポンサーも探す苦難の道。

負けが続くヘタルは再度横綱タオシに教えを乞う。
日本に行こうとするヘタルを応援する父と心配して止めようとする母
父が母親を諭すセリフで泣いた😭脚本も素晴らしい。


日本でのロケもあり日本の山里の風景を美しく撮影されていて素晴らしかった。

相撲は『心技一体』なんですね。



終演後のセッションで、ジャヤント・ローハトギー監督とプロデューサーと脚本家の3人が登壇。

コロナ禍で撮影に苦労された中、ロケ地の千葉県に感謝の意を話して下さったり、また公式初上映が日本で行われた事を喜んで下さっていたのが印象的でした。


その後のヘタルさんは、スポンサーや相撲連盟などないインドでは活動を継続出来ずに早期引退。
5才から16才の子供達に自己防衛術を教えていたそうです。

最後に実際にヘタル・デイヴさんの写真を見たのですが、精悍な顔立ちで気迫に溢れた素敵な方でした。



相撲に縁のある千葉県の諏訪大神など写っていたロケ地巡りしたいな。
なだ

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