ねぎおSTOPWAR

緑の夜のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

緑の夜(2023年製作の映画)
3.8
ファン・ビンビンさんは「墨攻」「マイウェイ 12000キロの真実」「X-MENフューチャー&パスト」を観ました。今作が復帰作なんですね。

香港映画ですけれど、話の舞台は韓国。
DV夫の妻というビザで入国して空港で働くジンシャ(ファン・ビンビン)は緑色の髪の女(イ・ジュヨン)と出会い、そして奇妙な逃避行が始まる・・という映画です。

イ・ジュヨンさんはいいですねー。梨泰院もいいけど、野球少女やベイビーブローカーよりも、「なまず」や今作の彼女のほうが魅力的に見えます。
今作はとても素敵なムードを纏っています。
好き嫌いは出ちゃうかもしれませんが、是非是非!!

《以下ネタバレします》






ファン・ビンビンさんが抑圧されたキャラクターを演じているのもあるんでしょうが、イ・ジュヨンとの対比、バランスがとっても良いんですよねー。体格がかなり違い、ファン・ビンビンが守る人、イ・ジュヨンが守られる人に見えるけど、実際設定はその逆だったり。

旦那の暴力の前に、いわゆるDV被害妻のわかっていても従ってしまう感じがとてもリアルで巧みに描かれていました。それを見たイ・ジュヨンは夫を攻撃して殺そうとするわけですが、全編を通じて彼女は狂気が潜んだ女を演じていて、そこもまた・・
<閉鎖的な心のファン・ビンビン:開放的なイ・ジュヨン>
という対比が心地いい。
たぶん普通に暮らしていたら絶対に友達になんてならなそうな二人が、かたや旦那から逃げて一人で生きたい女と、運の良さで切り抜けてきたがその危険から脱したい女の利害が一致することで行動を共にする・・そして時に一人で進もうとするも、何かしらでまた戻ってしまう二人。
二人が感極まるセックスシーン(?)は良かったですね。
ファン・ビンビンさんの当初抑圧された表情ばかり・・からのこれは衝撃すら感じる落差!
二人ともレズビアンってわけでもないんでしょうが、相手への思いやり、憐憫が爆発するような演技はお見事でした!