東京国際映画祭学生応援団

パワー・アレイの東京国際映画祭学生応援団のレビュー・感想・評価

パワー・アレイ(2023年製作の映画)
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選手権の前日に望まない妊娠が発覚した17歳のバレーボール選手が周囲に巻き起こす波紋を描く。多様な人種が入り乱れるブラジルのLGBT社会も活写される。カンヌ映画祭批評家週間で上映。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3608YUT02

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まず、中絶についてあまりにも無知な自分を恥じました。そして日本で本作がTIFFでしか上映されないことが、非常に残念なことだと思いました。

この映画を通じてブラジルで人工妊娠中絶が違法なことを知り、その実態について調べてみると残酷なニュースの数々に胸が張り裂けそうになりました。

本作では、望まない妊娠をした主人公の苦しみが繊細に、写実的に描かれていきます。バレーボール選手としての輝かしい将来が潰され、中絶することは違法で、中絶したいという意志でさえ社会的に厳しい断罪を受ける状況で、彼女の心はどんどん壊れていきます。
目を背けたくなるような実態だけでなく、主人公の心情があまりにリアルに描かれるために、目を閉じて何も考えたくないと思うような場面がありました。ですが、問題と向き合い、考えることをやめてはいけないと改めて思いました。日本という国に生きる私たちにとっても中絶の問題は例外ではありません。

主人公が真っ暗な未来に絶望し、人々の侮辱を受けている間に、妊娠した子供の父親は何を思っているのでしょうか。彼は平然と暮らし、今までと変わらない生活を送っているのでしょうか。
そして中絶の意志がある彼女を過度に批判し、悲惨な結末にまで追い込んだ人々は、何を守りたかったのでしょうか。

その一方で、主人公を含め、父親や友人、コーチなど味方である全員がパワフルで、理不尽な制度に立ち向かう人々の強さと未来の希望を感じました。虐げられているだけでは終わらない登場人物たちに胸が熱くなりました。


国内からの悲痛な叫びと力強いメッセージを感じる作品でした。
絶対にハンカチとティッシュを持っていって欲しいです!

(13期ゆずの)



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