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清作の妻のyのレビュー・感想・評価

清作の妻(1965年製作の映画)
4.2
目暗になって、孤独を知り、1人残される女の辛さを知る。
そして、自分の目を突き刺した女房を許す。

全体志向から個人志向へまるっきり人格が転換していくために、盲目化という絶対的な身体変化を利用した脚本

ちょうちん行進のとき、なぜか、資料映像を見たような実在感を感じたというか、その行進の中に自分が没入してその異常さを体感した。なぜだろう

ラスト、帰ってきた女房が盲目の夫になんと言うかを私はすごく睨んで伺った。
「お前はお前を慰めるために俺を利用したんだろ、俺の目を使って孤独にならないように仕組んだんだろ」とあの女房に言いたかった。おれは許せないと思っていた。
しかし、あの夫は目暗と退役ゆえの孤独とそれゆえの妻の心の理解を告白した。

それを聞いてはじめて夫の心を理解し、すぐに納得した。
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