はる

秋刀魚の味 デジタル修復版のはるのレビュー・感想・評価

4.6
昨年末から『東京物語』『お早よう』と小津安二郎監督作品を見てきましたが、
「そうだったのかな?」
「そうだよ」
と同じ事を繰り返す棒読みのセリフ回しがクセになってきました。

時代は1960年代はじめ。
忘れていた昭和の雰囲気がまたもや蘇ってきて一瞬も目が離せなかった。
男やもめの父と結婚適齢期の娘のヒューマンドラマですが、家事は女の仕事、というこの時代ならではの問題が絡んでいて、父と弟を残して嫁にはいけないという娘の想いなどが面白かったです。
結婚して別の家で暮らしている兄夫婦は共働きで奥さんの方が強そう。性別は関係なく先に帰宅した方が夕飯の支度をしていました。

戦争に負けて、色んなものがアメリカ式になってきた。という下りがありましたが、男女平等という考え方も敗戦の影響なんでしょうか?
「負けて良かったじゃないですか」という言葉には色んな意味が含まれていていそうでした。

あれ?秋刀魚ってどこかに出てたっけ?飲んでるシーンしか見ていない気がするけど?
はる

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