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九十歳。何がめでたいのKUBOのレビュー・感想・評価

九十歳。何がめでたい(2024年製作の映画)
4.0
今日の試写会は『九十歳。何がめでたい』完成披露試写会。

すごい笑った! 前田哲って、おもしろい映画撮るな〜。

本作は、昨年100歳を迎えた直木賞作家・佐藤愛子のベストセラー・エッセイ集『九十歳。何がめでたい』を、草笛光子が佐藤愛子を演じて映画化した作品。

『老後の資金がありません』に引き続き、再びのタッグ。前田哲は草笛光子が好きなんだろうなぁ。

前作では主演の天海祐希を食う存在感を示した草笛光子だったが、本作ではもちろん主演!

ただ、草笛光子と唐沢寿明のダブル主演と言った方がいいのかな? 90歳の作家と時代遅れの烙印を押された編集者の、笑いあり涙ありの本当に楽しいバディもの。

本作は、唐沢寿明の使い方が上手い! 二枚目じゃなくて、会社ではパワハラ・セクハラのお荷物で、家庭でも妻と娘が出て行ってしまったどん底編集者がすごいハマってる!

この編集者「吉川」が必死に愛子先生に連載をお願いする件もおもしろいし、またこの「吉川」にバシバシ突っ込む歯に衣着せぬ愛子先生のお言葉がおもしろい、おもしろい!

この2人の交流から連載のエッセイのネタが生まれてくるところがうま過ぎる。

前田哲は「草笛光子+宝塚」ってパターンが好きなのかな? 前作では天海祐希だったが、本作では真矢ミキ。愛子先生の娘さんの役柄だが、ほぼノーメイクの真矢ミキがあんまり見せない普段着のような演技を見せる。ここも見どころ。

舞台挨拶に立った、おんとし90歳の草笛光子さん。唐沢寿明に手を引いてもらいながら登壇し、美しいドレス姿を披露。いつまでも美しいと驚いたが、その惚けたトークにも会場は爆笑だった。

作品内でも、冒頭は老いぼれた姿をあえて見せるが、物語が進むにつれて若返るようにどんどん美しくなっていき、ラストショットの草笛光子の笑顔に「前田哲、やるなぁ」と感嘆した。

草笛光子さんは、本作で日本最高齢映画主演女優の記録を更新! 90歳の主演女優ってちょっといない。それで美しいんだから、すごいね。

前田哲は「6歳から100歳まで、みんな楽しめる」映画って言ってたけど、マジでおもしろいよ。いっぱい笑って感動できる、良い意味で日本映画らしい日本映画。オススメです。
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