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ジョン・レノン 失われた週末のTaulのレビュー・感想・評価

4.0
『ジョン・レノン 失われた週末』ビートルズ関連のドキュメンタリーの中でも、これは知らなかったことが多く、驚くと同時に思わず涙ぐんでしまった。若きメイ・パンの物語であり、人間ジョンに深く関わった当時20代の女性の生き様が活き活きと語られる。ゴシップ的な認識から感動的な話に変わった。

『ジョン・レノン 失われた週末』メイ・パンだけの視点ではあるが、ヨーコの怪物ぶりやジョンの気まぐれといった二人の罪も感じる。ただ彼女は聡明で力強くて、決して可哀そうという話ではない。そこには愛があり、当時のジョンの心の拠り所であり、ジュリアンやシンシアとのエピソードが泣かせる。

『ジョン・レノン 失われた週末』映画の中でも登場した当時のジョンのアルバム『心の壁、愛の橋』を久しぶりに聴いている。「真夜中を突っ走れ」(エルトンとのNo1ヒット)、「夢の夢」(メイ・パンの声も)、「ヤ・ヤ」(幼いジュリアンが参加)... 何て素晴らしい週末だったのだろう。

偉大なビートルズの物語の中での、女性たちや影に隠れたストーリー。まだまだありそう。

*

メイン・パンだけの視点で、ヨーコ側の言い分もあるだろう、という評をみかけるが、もちろん当然なんだが、それはもう何度も語られている。また両方の言い分を入れて評するのは他の機会にやればいいと思う。この作品の意義としては、オリジナルタイトルどおりに、受け取ってあげればいいように思う。
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