女子高生たちが水の無いプールを掃除するシーンで
トレモロエフェクトのギターアルペジオが流れる
乾いたティザー動画に映画的興趣を感じ、
期待に胸を膨らませ公開初日に鑑賞。
大人になる直前の女子高生たちの心の葛藤を
プールという限られた空間で
補習掃除をする女生徒を中心に展開される、
女性版「桐島、部活やめるってよ」。
顔の映る男性が登場しない作品であり
女性の社会での在り方や、ならではの悩み。
男性社会のメタである野球部のグラウンドから
否応なく積り続ける砂、その間にフェンスを挟み
プールという空間で語られる女性たちの独白。
バケツに溜まった砂は、彼女らの感情の蓄積を表現し、
ルールに甘んじ淡々と従う者、
爆発させる者もいれば、抗い続ける者。
そんな彼女らもそれぞれ、多様な感情を抱えている。
高校生が描いた戯曲としては、
相当リテラシーの高いことが伺える作品。
テーマを自ら読み解きにいかないと
目に見える娯楽性は低いので、
好き嫌いがハッキリ分かれる作品になると思う。
この映画を見て女性はどのような鑑賞語感を得たのか、
聞きたい様でもあり、聞くのが怖い作品。
