『オーメン』（1976）から始まるシリーズのいわばエピソード0の物語。
目撃せよ―＜悪魔の子＞の誕生を
同種の趣向は他作品でもよく見られますが、本作はオリジナルへのリスペクトだけでなく、その上でシリーズの＜その先＞まで切り拓いた作品でした。
なダミアン（アンチキリスト）は誕生の背景を当時の社会情勢を上手く取り込みリアリティを持たせていますね。（なるほど、そう来たかあ・・）
また修道院の描写が「厳粛」「敬虔」というより、どこか「淫靡」なところもポイントですね。絵画のような礼拝堂と対照的な懲罰某の描写。また、主人公マーガレット（ネル・タイガー・フリー）に「いけないこと」に誘い出す同僚などなど・・・。（ま、イタリアン的なのかも知れませんが）
そして音楽もまた素晴らしい。
冒頭から陰惨なシーンもところどころ挿入され（これがまたオリジナルを想起）、ラブクラフトの某小説のような真相が明かされる。（ま、途中でなんとなく解りましたが）
そして、もう一つの物語の可能性も。
傑作ホラーでした。
