Toineの感想文

メフィストの誘いのToineの感想文のレビュー・感想・評価

メフィストの誘い(1995年製作の映画)
3.7
【深淵からの誘惑】
ドヌーヴ様とマルコヴィッチ様お目当てで鑑賞いたしました。
ゲーテの「ファウスト」から着想を得た作品とのことです。素敵。
しかもオリヴェイラ監督なのでカメラワークにも期待して観ました。

監督はポルトガル人、ドヌーヴ様はフランス人、マルコヴィッチ様はアメリカ人なので映画の台詞はどんな言語なのかしらと思っていたらそこは無難に英語でした。
と思ったらポルトガル語とフランス語の台詞もあり多言語マニア歓喜。

学者さんのマルコヴィッチ様がシェイクスピア文学の研究のため妻のドヌーヴ様と共に歴史ある図書館を訪れます。
そこは以前修道院だった場所。
館内を訪れてすぐ、ヤギの髑髏と壁に掛けられた逆五芒星のタペストリーが…。
もう既にドヌーヴ様方の身が危ないしどういう意図の作品なのか解りやすくて助かります。

深淵から何かが彼らを見つめているような。
暗闇から誘われているような。
そんな撮り方のカットが沢山あり不気味。
それがお伽噺風のお話と絶妙にマッチしていて素晴らしかったです。