こーら

せんのこーらのレビュー・感想・評価

せん(2024年製作の映画)
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(森崎ウィンさんは生粋のミャンマー人で小4で日本に移住、国籍もミャンマーですよ)(何か見た)

ウィンウィンのマ行の歌声がやさしくてまろやかでいいね!まいしゅう〜🎵否、毎日聴いてるヘブンズトルネード!

おばあさん役の中尾ミエさんの軽やかな歌や達観した視線を通して語られる日常。

タイトルと予告から予想していた通り胸がちくちく痛くなるというか。見終わると監督のバックボーンを考えて身につまされる感覚でした。
その中でも見る人によって気付いたらさらに楽しめるようなユーモアや遊び心も散りばめられていました。鏡を使った演出はこだわってそう!笑

脚本と構成によって音楽が自然に生活の中にあること、人の営みの変わらなさ、ラストにかけて悲しさや虚しさが浮き彫りに。25分の短編の中に作家性がぎっしり詰め込まれていました。繊細な内心の一端を知る機会になりました。

今回のASF4すべての作品を見終わり改めて気付いたのは、この作品だけアスペクト比が異なること。母国で配信で見てもらうことを考慮してでしょうか?

中尾ミエさんのご飯を食べながら歌う、編み物をしながら歌う、台詞を言うという技術の高さにも圧倒されました。

個人的に国境や紛争というとボーダーというより塀、壁なイメージ。日本は地続きで隣国が無いから気にして無いと海外の紛争も他人事感はある、国内の災害も縁がないエリアだと忘れがち

境界線、テープの線、毛糸の線、電話線、戦のニュース、洗濯…まだ気付けていないだろうたくさんの「せん」がシーンの中に効果的に散りばめられていた。
「せん」は目に見えるものや見えないもの、気付くものや気付いていないもの。
何より脚本が秀逸で見た後に振り返って歌と共に余韻や想像が膨らむ良い音楽短編映画でした。

思い出した。この画角はmid90s…おしゃれぽく見えるけど?流行ってんの???
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