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あこがれの色彩のbluetokyoのレビュー・感想・評価

あこがれの色彩(2022年製作の映画)
3.4
バカな親父だな。でも、30万円で女をなんとかできるなら、クルマ売ってでも払っちゃうよな。なんか、最近、新宿かどっかでそんな事件あったな。いや、いいです、なんて言いながら受け取っちゃう女も底なしのバカだな。陶芸界の頂き女子、とか言われちゃうじゃん。というよりも、大人になると、たいていは、こういうバカになるんだよな。
主人公の結衣が、大人なんて、みんな、死ねばいい、なんて言い放つけど、反論できんな。大人になるとバカになるのか、バカにならないと大人になれないのか、たぶん、両方だ。大人にならないまま、歳を重ねていく人もいないわけではないけど、稀有な存在だし。

陶芸についてはなんの興味もないし、知識もないけど、映画では、わかりやすく、要領よく、説明してあるので、陶芸界のことを知ることができた。ある一面では伝統的美術品なんだけど、別の一面では産業なんだな。つねに創造的ではあるけど、ある一定のクオリティで数をこなさなければいけないということだ。そういうのは、ほかの産業も同じだと思う。イノベーションを起こさないと時代に取り残されるが、日々の膨大なルーティンワークもこなさなければならない。

結衣のバカ親父の信夫は、陶芸界の流通部門を担当しているようだ。あちこちの窯元に、さまざまな物資を配送して回っている。そんなことをしているうちに、ある窯元で働いている美樹と知りあう。美樹は自分の絵柄デザインを世に問いたいので独立したいなんて思っている。なので、コンテストに出品するが、そのために、50万円もかかるのだ。たぶん、出品するためには会員にならなければならず、入会費が50万円なのだろう。ぼろい儲けではあるけど、コンテストでグランプリを取れば、いい宣伝にはなるし、持ちつ持たれつなんだろうな。

結衣の仲良し女子グループには、男がいないという設定はよかった。もしそうなっていれば、話がムダに複雑になって、収拾がつかなくなる。女子グループのなかでは、邪悪メガネっ子の咲が面白かった。それにしても、ホ別5で、食いついてくるおっさんもアホだなと思いつつ、5万なら払っちゃうかもと思ってしまう。大人はやはりバカだな。ただ、こんなことを女子がやっていると、やがて、逃げるのが面倒になって、5万確実に手に入るなら、相手をした方がラクかな、なんて考えてしまうものかもしれない、恐ろしい。

オーバードーズ遊びというのも、刹那的というか、最近、よくニュースで聞く。むかしのシンナー遊びと同じだろうか。シンナー遊びなんて、アホな不良しかやらんかったけどな。最近の子どもはお稽古ごとも多いんだね。

結衣は、大好きな絵をそのまま描いていけばいいんじゃないのかな。世間での評価なんか気にしないで。ひょっとしたら大化けするかも、なんて色気出さなくても、出してもいいし。そのうち、誰かを喜ばせたくて絵を描くかも。そもそも、絵を描くきっかけは、バカ親父がとても喜んだからだ。
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