Omizu

水に燃える火のOmizuのレビュー・感想・評価

水に燃える火(2024年製作の映画)
3.0
【第19回大阪アジアン映画祭 コンペティション部門出品】
マレーシアのサンジェイ・ペルマル監督作品。ロッテルダム映画祭でプレミアされ、マレー語ではないタミル語を話す少数話者を主軸にした作品になっている。

映像はいいが物語が散漫で軸がない。編集のテンポもよくなく、なにこれと思う箇所も多かった。現在から始まり、過去に遡る構成になっているのだが、それが果たして効果的であったかどうか甚だ疑問。

映画監督を目指すも録音技師に甘んじており、アルコール中毒という現状はもちろん分かるし、そこに監督自身も反映しているのだろう。しかしそのテーマと映画の出来は別。二人の女性との邂逅と別れが描かれるが、そこがあまりにも曖昧。

物語として非常に分かりづらく、何を描きたい作品なのかがブレてしまっている印象。撮影や荒削りながらもアーティスティックな感性はすごくいいと思った。これからの成長に期待したい。
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