【第96回アカデミー賞 国際長編映画賞フィリピン代表】
ロトスコープと手描き2Dアニメのハイブリッドという手法を用いたアニメーション映画。シネマラヤ映画祭で作品賞を受賞、アカデミー国際長編映画賞のフィリピン代表に選出された。
面白かった。長編三作目となるパール・ジョセフ・パパ監督の堅実な手腕が窺われる秀作アニメ。コンペに選ばれたというだけあってそれなりのクオリティはあるなぁ。
口を失った主人公、彼の母、彼の同僚の三人を中心に描かれる大人のアニメ。なぜ彼は口を失ったのか、その真相に迫っていく。
ロトスコープと手描きアニメの共存ができていてその意味もちゃんとある。一見突飛な宇宙人の登場にもしっかり意味がある。
クィア映画としても十分な出来。演じた役者さんも素晴らしい(お母さん役は『逆転のトライアングル』ドリー・デ・レオン)。人は人を傷つけるが、それを治せるのもまた人なのだ。フィリピン代表に選ばれたのも納得の秀作。