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理由なき反抗のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

理由なき反抗(1955年製作の映画)
3.9
「エデンの東」に続く、ジェームズ・ディーン2本目の主演作で、1作目と並ぶ代表作。
ディーンは本作公開の約1ヶ月前交通事故により24歳で亡くなり伝説的存在になる。
"チキン・ゲーム"が話題となり、タイトルも若者を表す代名詞として流行した。
撮影はアーネスト・ホーラー、
音楽は「エデンの東」のレナード・ローゼンマン。
原題:英語: Rebel Without a Cause (1955)

(冒頭)
物語は、復活祭の日の深夜、補導された3人の若者(高校生)が偶然、警察署で出会うところから始まる。

~その3人~
・泥酔して補導された17歳の少年ジム(ジェームズ・ディーン):前の学校で暴行事件を起こし、この町に連れてこられたばかり。
・夜間外出で保護を受けた少女ジュディ(ナタリー・ウッド):父親の愛に飢えている。
・仔犬を撃ち殺し連れてこられた少年プレイトウ/プラトン(サル・ミネオ):両親は別居。父とは長いこと会っていない。母親も外出が多く、黒人のメイドが世話をしている。ジムを父親のように慕う。

(前半)
翌日、新しい学校に登校したジムは早速不良グループのボスに絡まれ、その夜、ミラータウンの崖で"チキン・レース"を行い決着をつけることに…。

(後半)
不良グループから追われたジムは、グリフィス天文台通りの空き家で、ジュディ、プラトンと疑似家族のようなささやかな時間を過ごすが、間もなく不良グループと警察がやってくる…。

~ジムの家族~
・父(ジム・バッカス):優柔不断で、妻や母親の尻に敷かれている。
・母(アン・ドーラン)
・祖母(ヴァージニア・ブリサック)

~ジュディの家族~
・父(ウィリアム・ホッパー)
・母(ロチェル・ハドソン)
・弟

~不良グループ~
・ボスのバズ(コリー・アレン)
・ムーズ(ニック・アダムス)、
・クランチ(フランク・マッゾラ)
・グーン(デニス・ホッパー)

~その他の登場人物~
・少年保護係レイ(エドワード・プラット)

「天に昇れば居場所があるんだ」

「浅はかな判断をすれば、一生後悔する。10年後には何が起こったか誰も覚えてやしない。
言ってやって、お母さんに。10年後? 答えを聞かせて。父さん」

「あの動物園には戻らない。絶対に」

「ずっと愛されることを求めていたのに、今は、人を愛している。簡単なのね。なぜ、愛せたのかしら」

理由なき反抗とは「常識的な世界に安住してしまった大人が、傷つきながらも模索する若者に向けた心ない言葉である」
~ニコラス・レイ~

カイエ・デュ・シネマの作家たちによって遅れて評価されたニコラス・レイ監督の代表作で、構図、色彩、編集、演出など、監督の優れた個性がよく出ている。
例えば、ディーンが警察に説明しに行こうとして両親と対立するシーン。ディーンを中心に口論しながら動く3人を捉えた構図、カメラワークの見事なこと。
この作品は、10代の若い人たち(思春期)に見てほしい。
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