安堵霊タラコフスキー

「太陽」を売った少女の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

「太陽」を売った少女(1999年製作の映画)
4.9
2015年アンスティチュフランセが催したフランコフォニー映画祭で上映された、ジブリル・ジオップ・マンベティ監督の代表作にして遺作

言ってしまえば足の不自由な少女が新聞を売るだけなのだけど、松葉杖をつきながら歩く少女がとにかく力強くて神聖にすら思え、その姿を見ているだけで感動させられたし、それがある事態で以って変化するラストも神々しさで息を飲むほどだった

それだけでなく足のない車椅子ラジカセおじさんやストリートチルドレン等映る人々が逞しく生き生きとしていて、映画全体が生命力で溢れていた

勿論台詞での説明に頼らず映像自体の力を信じるマンベティのスタイルも健在で、被写体の良さを引き出せたのもそんな彼の姿勢があってのことだろう

しかしそれだけ優秀な監督である彼が21世紀を迎える前に亡くなってしまったのは、映画界最大級の損失と言っても過言ではないだろう