アキラナウェイ

遠すぎた橋のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

遠すぎた橋(1977年製作の映画)
3.8
緊急事態宣言下での休日の過ごし方は、死ぬ程ダラダラしてサブスク三昧。背中と床がくっ付きそう。立っている時間より寝転んでいる時間の方が長い。

さて、長いと言えばこちら。

175分!!

「ジュラシック・パーク」のジョン・ハモンド博士役で知られるリチャード・アッテンボロー監督作。若かりし頃の往年のスター達が目白押し!!

ショーン・コネリー
マイケル・ケイン
アンソニー・ホプキンス
ジーン・ハックマン
ロバート・レッドフォード
「ペーパームーン」のライアン・オニールも!!

第二次世界大戦中の1944年9月に行われた連合国軍による「マーケット・ガーデン作戦」を描く。

マーケット・ガーデン作戦とは…
35,000名もの空挺部隊をオランダ国内に投下させ、ドイツ国内へ進撃する為に、主要な複数の橋を同時に制圧する作戦である!!

これがもう見事に大失敗。

事前に偵察機から撮影された写真から、ドイツ軍の戦車がオランダ国内に配備されている事を知った作戦司令官。

「心配ない」
「多分動かんだろ」

…… おいッッッ!!

彼らは、クリスマスまでに終戦させたかったみたい。いつの世も無能な上司には困りものだが、戦時中は本当に勘弁願いたいな。

タイトル通り、空挺部隊が投下された地点から橋が遠いとか、無線が使い物にならないとか、補給物資が敵陣に投下されるとか、もう散々。

アメリカのモンゴメリー元帥の汚点とも言われる大失敗を通して戦争の愚かさを知る。

見所は何と言ってもパラシュートの投下シーン。何台もの戦闘機が飛び、次々と海月の様に傘を開く落下傘が空を覆い尽くす光景は圧巻の一言。

もう一回戦争をおっ始めたのかと錯覚する程に、大砲をぶっ放す戦車や銃撃戦もリアル。

しかしそれだけに、無能な上層部に振り回され、悲惨さを極めていく前線の兵士達の死が空しく描かれる。

1977年なのに既に渋さが極まるショーン・コネリーやら、イケメン&イケボなマイケル・ケイン、イギリス訛りが心地良いアンソニー・ホプキンス、上層部への不満をぶちまけてくれて胸スカなジーン・ハックマン、そして終盤になってようやく出番が訪れるロバート・レッドフォード。

主演クラス級俳優の活躍を満遍なく描こうとするが故に、散漫かつ冗長な印象は否めないが、終盤に掛けてどんどん惹き込まれるので、見応えは十分。