たけちゃん

遠すぎた橋のたけちゃんのレビュー・感想・評価

遠すぎた橋(1977年製作の映画)
3.8
クリスマスまでに戦争を終わらせよう!


リチャード・アッテンボロー監督 1977年製作
主演ロバート・レッドフォード、他


シリーズ「娯楽映画で振り返る第二次世界大戦」
第6弾は「遠すぎた橋」



前のレビューから随分期間が空いちゃいましたが、なんとか「ダンケルク」公開までにはシリーズレビューしたいなぁと思っていたけど、なんか無理っぽい……。

さて「史上最大の作戦」に続いて紹介するのは、史上最大の空挺作戦と言われる「マーケット・ガーデン作戦」を描いた「遠すぎた橋」です。

前回紹介した「史上最大の作戦(ノルマンディー上陸作戦)」から3ヶ月後の話となります!



懐かしいなぁ。
この作品、高校生の時、劇場で観ましたね!
戦争映画が大好きだったので、オールスターキャストのこの作品にワクワクした思い出です( ˘ ˘ )ウンウン



監督はリチャード・アッテンボロー
覚えていますか?
今回のシリーズで紹介した「大脱走」ではビッグX役を演じていましたし、「ジュラシック・パーク」のおじいさん👴のジョン・ハモンドですよ~。実は意外と大監督(笑)



さて、レビューに先立ち、また、この映画の背景を語っておきましょう(๑•̀ •́)و✧←トバシテモ、イイヨオ



戦国時代の戦も同様なのですが、大規模作戦になればなるほど、食料、弾薬などの物資とその輸送路の確保は何よりも重要なこととなります。これを「兵站(へいたん)」と言います。いかに補給路を維持し、前線へと物資を送るか、すなわち兵站を確保するかが戦局を左右するのです。


ノルマンディー上陸作戦(オーバーロード作戦)の成功の後、連合軍は後退するドイツ軍を追ってベルギー国境までどんどん軍を進めます。最終的にはオランダを取り戻し、ドイツ本国へと攻め入り戦争を終わらせることが目的でした。そうなると、補給港から前線までの距離がどんどん離れていくのです。作戦当時で600キロもの長さになっていました。

そのため、最前線では食料や物資などが届かず、兵士たちは疲弊していきます(T_T)

この映画の中でも、武器・弾薬や食料・薬品が届かない窮状が描かれています!



もうひとつポイントを(๑•̀ •́)و✧

連合軍の最高司令官はアイゼンハワーなのですが、その下で指揮を執るのが今作戦を立案するモントゴメリーと、もう1人パットン将軍がいます。パットン将軍については、今シリーズの締めくくり「パットン大戦車軍団」で紹介するつもりですが、この2人がめっちゃ仲が悪いんですよ~(´;ω;`)ヒーン

どちらが先にドイツを落とすかって武功の取り合いで争ってるんです。いやいやお二人さん、戦時下ですよ~。部下の命がかかってるんですよ~。いい加減にしなさい
(っ `-´ c)メッ!!



それで、パットンよりも先にドイツに攻め入ろうと、モントゴメリーは充分な準備もなく作戦を立案し、実行してしまいます!当然不安要素も多いのだが、当時の連合軍の勢いが、判断を曇らせます。

映画はここからスタートするんです。



作戦の概要は、兵をドイツ本国へと侵攻させるため、ドイツに繋がるオランダ国内の5つの橋を手に入れること。そのためにオランダ国内に35000人の空挺隊員を落下させる
作戦名は「マーケット・ガーデン」
マーケットとは空挺部隊による落下、ガーデンは地上部隊による侵攻を意味していた。


マーケット作戦に参加するのは
英第1空挺師団、師団長はショーン・コネリー演じるロイ・アーカート少将、そして、米第101空挺部隊(バンド・オブ・ブラザースに出てくる部隊です)と米第82空挺部隊の三師団。
さらに、ポーランド第1独立落下傘部隊を率いるのがジーン・ハックマンです。このジーン・ハックマンが素晴らしいんですよ~。見てほしいなぁ。


5つの橋の最後はアーネム(アルンヘム)
ここをショーン・コネリー率いる英第1空挺師団が攻撃します。しかし、ここで、ドイツ軍の激しい抵抗にあいます。
2日で終わるはずの作戦が9日間続いた今作戦。
第4の橋までは取り戻しますが、英第1空挺師団の全滅で、アーネムは奪還できず作戦は終わるんです……。ノルマンディー上陸作戦以来の連合軍の破竹の侵攻がここでストップし、年内での戦争終結は難しくなりました。




小ネタですが、実はこのアーネムに、この時、幼かったオードリー・ヘップバーンが住んでいました。ナチスの迫害もあり、ひどい極貧生活を送っていたそうです。戦争で亡くならなくて良かった。

後に、連合軍により解放された日は忘れられないと語っています。




時代的には最後の歴史大作映画ですよね~。
ひたすらたくさんのキャストが出演
名前を書き並べると、ひぇぇってなりますよ
大規模な撮影に物凄い火薬量での爆発の迫力
特に、落下傘部隊の降下風景はすごいの一言


また、最後の渡河作戦の厳しいこと
これ、「バンドオブブラザース」でも観たなぁ
観た方は第4話「補充兵」を思い出してください。ここがマーケットガーデン作戦を扱ったエピソードなので、悲惨さを想像しやすいかもです。



戦争って、一旦始まってしまうと、正義も悪も無くて、ただ、ひたすら犠牲が出るというのがよく分かる最後の戦争巨編でした。



さあ、戦争も終盤です。
次回はマーケット・ガーデン作戦から半年後となります。戦車映画の秀作「フューリー」でお会いしましょう
(๑•̀ •́)و✧