Omizu

Mami Wata: A West Afrikan Folklore(英題)のOmizuのレビュー・感想・評価

3.8
【サンダンス映画祭2023 ワールド・シネマ・コンペティション部門特別審査員賞】
西アフリカの民話を題材にした作品。サンダンス映画祭で特別審査員賞が撮影に対し授与され、インディペンデント・スピリット賞では外国語映画賞にノミネートされた。アカデミー賞では国際長編映画賞ナイジェリア代表として出品された。

これは評価されるのも分かる良作。白黒の撮影が素晴らしく、民話を題材にしたファンタジックな物語もいい。

先住民族の女性魔術師が文明社会の男を助けることで生じる歪みを描いた本作、終盤に驚くべき転換が用意されている。リアリズムに基づいた寓話だと思ったら伝説がそういう形で…なかなかいい映像的転換だったと思う。

惜しむらくは先住民族の村に入り込む男が急に敵になってしまい、その心情がイマイチ汲み取れないこと。本当に急に敵になるからビックリした。

しかしそれを補って余りある映像センスが展開されていると思う。映像的転換で部分的にカラーになるのだが、その使い方もいい。白黒に頼った画面になっていないところが素晴らしい。
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