短編ホラー4本立ての作品。
正統派ホラーというよりは、なー…んかわからんけど不気味だし、この状況って怖いよね〜気づいたら指先冷えてました〜みたいな、
独特の雰囲気の作品が集まった印象でした。
あえて全てを解らせないというか、靄(もや)を残したまま後味悪くしてるような作品たちという感じ。
個人的に、3番目の「洗浄」がわかりやすくて好きでした。(古い人間ってことなのかなぁ…)
そして、出てくる人間が全般、だいたい変なやつか嫌なやつなので、誰にも感情移入出来なかったので逆に胸も痛まなかった。
詳細な感想は下記にて
・犬
婚約中の主人公カエデが、道端で野良犬のようにゴミを食い漁る少女と出会ってからだんだん狂っていく話。
ーーというか、出会う前から実は限界を超えていたんじゃないかと思うくらい、主人公がどん臭い(うつ症状みたいにも見えるけど…)
婚約者が結婚前からモラハラで、主人公は元々どん臭いのにさらに萎縮していき、防衛反応として犬吠えが出はじめた感じがかわいそうだった。
モラハラ婚約者の滑舌がちょっと怪しくて、後から文脈で推測してましたw
・Rat Tat Tat
夫婦がパーティーに訪れ(何のパーティかもはやわからんけど)、主人公は子持ちの友達やパーティー主催者の出産間近な様子を見てだんだん狂気の渦に呑まれていくーー感じの話。
作品全体の言いたいことは大体わかったけど、シーンがずっと変わらずちょっともたつきがあったのが残念。
裾ビリビリしてちょっと血だすシーンは何だったんだろう(出産経験者だったらわかるのか？)
エンドロールが、誰が何やった人なのかあまりよくわからなくて、エンドロールとしての機能を損なってる気がしてやや心配だったのですが、演出はめちゃめちゃ面白かったですね。
・洗浄
コテージに男女5人で訪れ、1人が湖に溺れてから様子がおかしくなっていく話。
「死霊のはらわた」水属性バージョンって感じだなぁと思ったけど、水独特の気色悪さが出てて良かった。
風呂場を覗くまでの雰囲気で見せる静かな怖さもあって、後半姿を表してからの別のホラーに転じてから別の気持ちわるさも出てきて飽きなかった。
行動が変なだけで、見た目が大して変わってないあたりが逆に狂気的に見えてたかもしれない。
テーブルの上よりは風呂場の方が絶対いいぞと思ってからはちょっと笑ってしまった。
・VOID
女子高にて。主人公は授業中外を見ると、遠くのマンションの屋根に人が乗っているのを見つけ、それ以降奇妙な現象に巻き込まれる話。
結局それが何なのかよくわからなかったけど、得体のしれない何かがじわじわ侵食してきて、普通に何物にも無頓着になって楽天的に振る舞う様子が「ザ・JK」って感じに見えるのが気持ち悪かった。
途中でヒス気味のオーバーアクト母が出るけど、他の登場人物もだいたい変で、唐突に話題を変えたり笑いだしたり(父)するため、なんならこの母は家計のことだけ一貫して考えてるげな安心感があった。
