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キラー・インサイド・ミーのadeamのレビュー・感想・評価

キラー・インサイド・ミー(2010年製作の映画)
2.0
50年代の南部の田舎町で、サディストからサイコキラーへと堕ちていく保安官の男を描いたサスペンススリラー。
あえてミスマッチな選曲が平和な田舎町で起こる残虐な事件のギャップを表現していて良かったです。
障壁を越えるためには躊躇なく人を殺し、そこに良心の呵責を微塵も感じない男という感情移入できない主人公のモノローグによる進行はユニークではあるのですが、それが異常な殺人鬼の心理を描くのに効果的だったかといえば微妙な印象でした。
モノローグさせるのなら、道徳心を失ったような行動に嫌悪感を抱かせながらも、そこに誰もがつい共感してしまうような危うさを忍ばせることでゾッとさせる効果が発揮されると思うのですが、心理描写が弱いので終始シンクロできないまま話が進んでしまうのが残念でした。
ノワール的な雰囲気は失われてしまうのかもしれませんが、第三者視点の語り手がいる方が理解不能な男の行動をもっと恐ろしく感じられた気がしました。
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