さすらいの旅人

キラー・インサイド・ミーのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

キラー・インサイド・ミー(2010年製作の映画)
3.5
★お尻を叩くのは止めましょう
【VOD/Amazon Prime/配信視聴/シネスコサイズ】

某ネットサイトのおすすめ映画で鑑賞。ジェシカ・アルバやケイト・ハドソンも出演しているのも動機の一つだ。

ストーリは簡単に言えば、50年代のある田舎の保安官助手が、複雑な人間関係と愛憎の中で衝動殺人を起こすもの。主人公のナレーションも入り、自身の行為を冷静に見ているのも怖い感覚だ。時代を感じさせる空気感と言おうか世界観は悪くない。

決して出来映えの悪い作品ではないが、女性に対するサディスティックで暴力的な場面がある事から、非常に後味の悪い作品となっている。サイコ的な主人公が日常をうまく生活していることも反感を呼ぶだろう。絶望的でやるせない気持ちを残したままのラストも私は好きではない。

ただ、マイケル・ウィンターボトム監督のリアルな演出は素晴らしいと思う。普通の人間が徐々に狂いだす状態を観客に自然に見せる演出はただ者ではない。