似太郎

ザ・ペーパーの似太郎のレビュー・感想・評価

ザ・ペーパー(1994年製作の映画)
4.6
謎解きサスペンスかと思いきやワチャワチャしたコメディだったという良い意味で期待を裏切られた作品。

主演のマイケル・キートンがお気楽な新聞記者を好演していて「地味だなー」と思いつつも、見入ってしまう語り口の上手さが絶妙。以前に『スポット・ライト/世紀のスクープ』という映画があったが、本作の焼き直しだったのね。😅

あれはあれでたしかに面白いけど、役者のアンサンブルの良さではやはり本作に軍配が上がる。各々のキャラが立っており、チームプレーで難事件を解決していく過程を見てるだけで飽きさせない。

よくある日常の風景の中に密かにサスペンスを導入する「あまり派手に盛り上げない手法」が逆に事件への興味をそそられる。牧歌的な雰囲気でありながらスリリングというアメリカ映画的な正攻法の作風が、良くも悪くも職人気質のロン・ハワード的世界観。

全体的に引き締まった作風で、笑いを練り混ぜながら地味に展開するサスペンス映画の秀作として評価したい。ロン・ハワードは『アメリカン・グラフィティ』の頃からファンなので、またこのような傑作を撮って貰いたいと切に願う。🙏
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