ワンコ

ジェニファーのしたことのワンコのレビュー・感想・評価

ジェニファーのしたこと(2024年製作の映画)
3.9
【マイノリティ/考えたこと】

Netflixドキュメンタリー

栃木の遺体遺棄事件の推移をニュースで見てあまりに短絡的だと思っていたところ、短絡的と思われる事件を扱ったこのドキュメンタリーをNetflixで見つけた。

栃木の事件は、今は遺体遺棄事件だが、殺人事件として扱われることになるのは間違いないだろう。

親の過干渉は日本でも問題になることは多い。

昔、知り合いで小学校に通い始めた息子と弟を連れて母親が集まりに出てきて、「この子は失敗したの。だから、こっちの子に頑張ってもらわないと」と息子たちの前で話していた。
滑り止めの私立の小学校にしか合格しなかったということらしい。
普段から叱りつけて勉強を促すような母親で、父親もそれを止めないらしい。
子供にあれこれ言えるほど、あなたから教養は感じないと言い放ってやりたいほど場の雰囲気を害する発言だった。

子供は親の道具や成果物ではないはずだ。

この「ジェニファーのしたこと」ではどうだろうか。

移民やマイノリティが故のプレッシャーは家族にもあったと思う。

実は過干渉なのに、単なる厳しさと考えがちな親。
ただ、過去にはこれが娘のために奏功するようなこともきっとあったに違いない。
それを成功体験にしてしまったかもしれない。

募るジェニファーの閉塞感。
積み重なるウソ。
思慮に欠けるボーイフレンド。

これをジェニファーのパーソナリティや短絡的な思考と絡めて論じることは簡単な気がする。

マイノリティが故の地域社会との連携の不足が過干渉も、安易な事件も助長したとは考えられないだろうか。

抜け道のない迷路に迷い込んだような状況。

バイデン大統領が日本の移民受け入れの少なさを暗に批判して排外主義的だと言っていた。

アメリカ政府は火消しに躍起になったようだが、人手不足解消や将来の人口減少対策のためには、外国人労働者の受け入れは僕たちの国の喫緊の課題だ。

僕たちの国はマイノリティを社会としてちゃんと受け入れられるだろうか。

こうしたマイノリティが故と思われる事件を可能な限り食い止められるだろうか。

神戸のミッション系の女子学校が、外国からの学生を受け入れ、日本語の教育も徹底させ、将来日本で暮らし、日本の発展に貢献できるような人材育成を始めたと何かで読んだ。

保守系右派、つまり、ウヨには耐え難いことかもしれないが、ほとんどの国民は座してウヨとともに滅びることを待つより、工夫して日本の発展に期待したいと考えている人は多い気がする。

そのためには日本が観光地としてだけではなく、成長も安定も、彼らを仲間として認められる環境も享受出来るような国であれば良いと思う。
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