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ジョイ・ラック・クラブの遊のレビュー・感想・評価

ジョイ・ラック・クラブ(1993年製作の映画)
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会話が成立しない母を憎む娘、自分と同じ欠陥を娘に見出す母、つねにひとの顔色を窺って安らかになれないこと、誰かの機嫌を損ねたら贈り物をして埋め合わせるのが癖になっていること、気を遣いすぎて逆に興味を持たれなくなること、ずっと前から愛を感じてはいないのに他に居場所がないから出ていけないこと 今まで見聞きしたり身に覚えがあったりする人生の呪いのオンパレードだった

(とりわけ父権の強い中国で)女性が「選ばれる性」としての人生を強いられてきたことが「母と娘」という関係性に物凄く複雑で感情的に激しい成分を含ませるのかなと思う、その千差万別な表出のディテール・普遍的なあるあるを4例見せてもらった 言わずもがな日本にも「男が女を選ぶ」というパラダイムは根強く残っているし、むしろ今は男も女も関係なく「誰かに選ばれること ≒ 強い承認」を幸福の旗印にしている人が多いから、呪いはまだまだ続いていく
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