せーじ

相棒-劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソンのせーじのレビュー・感想・評価

2.0
何回か観ていたけれど、改めて。
個人的には劇場版Ⅱのほうがマシ。
でも、どちらもテレビシリーズのいわゆる「神回」と比べてしまうと、全く駄目だと言わざるを得ない。

まず、何故チェスでなければならなかったのか、がわからない。
犯人の動機も、こんなことをしなければならないほどの事だったのか(特に前半の三件の殺人)が弱い。
そしてインターネットの描写も、マスコミによる報道被害の描写も、少し前の作品だとはいえ、あまりに古すぎやしないだろうか。

また、謎解きの部分も結局は後出しで新しい事実を上書きしていくやり方に終始しているので、警察はあのように振り回されてしまうことになる。無能か。
クライマックスで、危険な現場に保護しなければならない人を置いていくのも納得出来ないし(あの場面は亀山が残るべきだった)普段は特命係を爪弾きにしているのに、結局は彼らからの主張に素直に動き回る警視庁の組織って一体…と思ってしまう。

相棒シリーズはそもそも「冬の旅」のように、ひとつのテーマを掘り下げて、主張をあぶりだしていくことが魅力であるはずなのに、今回の話のキモであることがほとんど掘り下げられていないのが何より問題だと感じる。
様々な要素を取り込み過ぎだからだ。
ちょっとこれでは、社会派ドラマとは言い難いし、エンターテインメントとして楽しむにもノイズがありすぎる気がする。

なお今回の放送では、とあるキャラクターの出演シーンがすべてカットされていた。
それもどうなのかと思うのは、自分だけだろうか。
せーじ

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