Lalka

成春香のLalkaのレビュー・感想・評価

成春香(1961年製作の映画)
2.9
VHS『春香伝』(BWM-014)

結論から言うと感情移入を誘う陳腐なメロドラマでつまらない。暗がりでのネオンというかホラーのような照明くらい。

成春香は原題であるとともに主人公の名前。『春香伝』という題材はまだ朝鮮で映画が作られて間もない頃の23年(情報が正しいなら同国の4本め)初めての映画化がなされ、35年には朝鮮のリリアン・ギッシュと言われるムン・イェボン主演作、61年には本作と競作で同じく夫人を主演にしたホン・ソンギ監督作、68年にはキム・スヨン監督作(『春香』。翌年の『春、春』とは別)、80年にはDVD化されている北朝鮮製作版、84年には北朝鮮で本作主演のチェ・ウニが監督したミュージカル、そして00年のイム・グォンテク作などがあり相当、朝鮮で愛好されている古典なのがよくわかる。

イム・グォンテク作と比較するとパンジャやピョンの人物像が平明だったり台詞のうちに古めかしく難解な言葉を使わずにいたりと娯楽的わかりやすさが全編に漂う。あっち観てたらわざわざこっちは観ないほうがいい気がする。
Lalka

Lalka