あしたか

半落ちのあしたかのレビュー・感想・評価

半落ち(2003年製作の映画)
3.8
[あらすじ]
アルツハイマー病を患う妻を殺したと現職警部が自首してきた。だが殺害から自首までの2日間の行動について、頑なに口を閉ざす。新聞記者は理由を調べ始めた(Netflixより抜粋)


あらすじにある謎が最大の肝。様々な立場の人物がそれぞれの角度から空白の2日間を探っていく。もはやその謎に頼った一点突破型の映画と言える。
県警、検察、新聞記者、弁護士、裁判官などの思惑が絡み合うが、大筋のストーリーは上記の通りなのであまり気にしなくても理解できる、比較的わかり易い内容。

終盤の裁判で明かされる真相は余りにも切なく、重い。この場面の表情で魅せる寺尾聰が凄い。台詞は少ないが彼の演技には涙を誘われた。
全員が被告人に同情してしまったのか、弁護士と検察官の思惑が一致するという非常に珍しい光景も見られる。この裁判シーンの空気感は類を見ないほど独特。

役者も実に豪華な顔ぶれだが、樹木希林、國村隼、高橋一生が光っていると感じた。特に高橋一生は出番は少ないもののかなり重要な役どころ。ラストシーンの台詞には感動してしまった。

命、魂、生きるということについて考えさせられる作品。
あしたか

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