No1

誰も守ってくれないのNo1のレビュー・感想・評価

誰も守ってくれない(2008年製作の映画)
3.5
2024年28作目。

背筋が凍った…。
いや、冗談ではなく、マスコミや現代ネット社会の怖さを描く作品の一つで、とても恐ろしかった。
でもこういう警察目線の話で警察内での善悪キャラを分けてしまうと、観る側も無意識のうちに警察内悪人に責任を擦り付けて、偏った頭になってしまうと感じる(今作では佐野さん演じる上司)。結果、作中で恐ろしく描かれている情報操作と似たことをされているのではないか。そう考えると二重に怖い。今観ている自分達も、ネットで情報を書き込んだりそれを見て騒いでいる人間と大差がないと気付くことが。

例えば、3年前の事件の際に、上司の指示を無視して本人の意思で逮捕タイミングを延ばしていたのだとしたら、どうだろうか。作中で佐藤さん演じる主人公刑事が終始纏っている被害者オーラはかなり違ったものになるだろう。

とはいえ、加害者の家族の保護という視点で事件を見る目が養えて、少しだけ優しくなれた気がした。

そういえば、望みという作品も加害者の家族、かもしれない、という似た境遇だった。同じく石田ゆり子さんが出演。

あと最近観た、ひとよ、という作品も、同じようにマスコミやネットで人殺しの家族として叩かれる話だ。こちらには佐々木蔵之介さんが出演。

年間100作以上鑑賞してもまだまだ観たい作品だらけで全然追いつけないけど(何という幸せな悩みだろう)、やっとこうして作品同士の照らし合わせが出来るくらい多くの作品を観てきたんだなぁと、しみじみ自己満足に浸ったのでした。

今作の個人的MVPは、何かと頼りになる生意気後輩刑事の松田龍平くん。短髪も似合うねぇ。
No1

No1