Bobsan

火の森のBobsanのレビュー・感想・評価

火の森(1970年製作の映画)
3.3
タイヤがパンクして困っているおっさんがたまたま通りかかったデイビッドに頼んでタイヤを直してもらっているのに、デイビッドに対していきなり葉巻をふかしながらデイビッドの人間性を否定するような失礼極まりない説教を垂れ始める冒頭からもう訳がわかりませんね。更にこのおっさんはデイビッドの乗っていたバイクのタイヤに釘を刺してパンクさせる異常行動を取ります。おっさんは礼も言わず走り去りますが、タイヤをパンクさせられて怒ったデイビッドが追いかけて来てちょっとしたカーチェイスの末に木に激突してくたばります。もう!イタリア映画だなあ!と叫びたくなるような訳わからなさでこちらの脳みそは早くもやられてしまいます。
その後、デイビッドは森に棲む謎の三姉妹と、本人は楽しそうでも観ているこちらは退屈な交流を重ねた末にぶっ殺されます。どうやら冒頭のあの遜大で失礼極まりないおっさんは悪魔で三姉妹は魔女。自由奔放に生きる若者が気に入らないからそいつらを始末して、自分達が理想とする正しい人間だけの世界にしようととても効率の悪いやり方を細々と繰り返しているみたいです。おそらく本作の監督トニーノ・チェルビーはヒッピー文化がお嫌いなのかもしれません。
クライマックスで最初に死んだと思っていたおっさん悪魔がしれっと再び登場し、三姉妹をはじめとした手下共を整列させてまたしても説教を垂れます。悪魔の手下の一人が「このやり方じゃキリがないからもうやめません?」とお願いしても悪魔がまったく言う事を聞かない上にキレ散らかすのでうんざりしながら仕方なさそうに次の獲物を捕らえに行くのが上司ガチャに外れた感じで笑えました。
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