心の病に悩む少年達のカウンセリングを生業とし公私ともに順風満帆な生活を送るも、かつての患者から銃撃を受けた事をきっかけに妻から相手にされなくなり人生が一変してしまった精神内科医マルコム・クロウ。内気な少年コール・シアーのケアを通じて少年の持つ特殊な能力と真実を目の当たりにする彼の姿を描いたホラー・ドラマです。
「子供には大人に見えないものが見える」という基本的なホラー設定をサスペンスとして描く古典的な構成に、「登場人物がある真実を知ることで新たな一歩を踏み出す」シャマラン流のドラマをハイブリッドさせて感情の機微を描いた見所の多い作品でシャマラニストに言わせると様々な意見がありますが個人的には未だに彼の最高傑作です。
マルコムとコールの関係性を構築していくじっくりとした展開の中でも随所に驚かせるシーンが挟まれていて、後の作品ではやや強引と思えるシャマラン流布石のクセも控えめに衝撃のラストへと繋げています。緊張感が暴力によるものでないというのも本作のトーンによく合っていて、豊かな感情表現で万人に受け入れられるホラー映画です。
