田山信行

富江re-birthの田山信行のレビュー・感想・評価

富江re-birth(2001年製作の映画)
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酒井美紀さんは間違いなく美人です。
だが富江のキャラには合っていない。
菅野美穂以上に魔性というイメージがない。若くして実力派女優であったので演技力を推しての富江抜擢だったのであろうと。その点では菅野美穂と同様なのかな。

ぶりっ子演技に、男をバカにする様な高笑いというか引き笑い、不気味な存在感で確かに迫る表現力はさすがとしか言いようがない。この三作目にしてやっと原作通りに男を狂わす魔性の富江をしっかりやってる。

清水崇監督のやや過剰なホラー演出が、恐怖とシュールが混然となった伊藤潤二の作風に上手く合致していてこれこそ富江。いきなり富江が殺される導入から合コンに何食わぬ顔顔して現れるまでの流れや、風呂場で富江を解体しながら母子の会話をするくだりとか凄くらしい。

首と手だけで追いかけてくる富江のシーンも最高だけど、酒井さんもよくまぁこんな役を受けたよなぁと改めて思う。なんでこのバケモノやってくれたのかね。これだけ異色なのよね。

煮え切らない恋人との関係まで富江によって揺さぶられる中盤から終盤にかけてのストーリーも切なくて良い。
田山信行

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