この頃の大島渚の演出は、かなり理屈っぽく青臭い嫌いもあるのだが、その点に目を瞑れば超一級の不条理劇として強烈なインパクトを誇る。
如何にもATG映画らしい厭世観てんこ盛りの作品。日本の死刑制度や在日問題に相当言及しており今本作を観ることはタブーに近い。観賞後はドヨ〜ンと凹むこと必至。
大島渚監督はよく新左翼系の映画作家だと言われることが多いけど、実際はそんなことはなくむしろ当時の新左翼運動に一定の距離を置いた作風なので若松プロダクションほど暴力的かつ直接的な雰囲気ではない。若干、品格が残ってる感じが良い。
密閉された空間での集団リンチを延々と描く、というコンセプトそのものが画期的。或いはサディスト的。😓
どこか『ファニーゲーム』や『es』にも通じる国家的暴力=「弱いものイジメ」の胸糞悪さが特徴であり、全編通して観ることは苦行に等しい作品かも知れん…。
それにしても凄まじい程に奇抜なイマジネーションとアイデアだなぁ〜。ここまで「魔」の想像力に長けた監督は世界的にも稀だと思うよ!🧐