ツクヨミ

ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォーのツクヨミのレビュー・感想・評価

3.0
ゴダールとトリュフォー、そしてヌーヴェルヴァーグの映画作家たちが歩んできた道。
1950年代から創刊された映画雑誌「カイエ・デュ・シネマ」、そんな雑誌を起点にヌーヴェルヴァーグは開花していった…
ゴダールとトリュフォーの出会いから別れまでを描き出すドキュメンタリー。近々ゴダールの映画を拝見する予定があるため勉強がてら鑑賞、これがめちゃくちゃそそられるヌーヴェルヴァーグの魅力に興味津々だった。
まず今作は1950年代の終わり頃からフランスで始まったヌーヴェルヴァーグという映画の潮流を見ていくドキュメンタリーになっており、その中でも中心人物だったジャン=リュック・ゴダールとフランソワ・トリュフォーの活動を主に映していく。彼らの人間性や少年時代、作った映画や映画人との関係性、果ては決別まで描かれる濃い内容がまあすごい。またトリュフォー、ゴダール個々人のインタビューまであったりして、本当に映画好きには堪らない内容になっている。
そして個人的に興味深かったのは、やはりヌーヴェルヴァーグの映画作家たちがどんな映画人の影響を受けたかだ。フリッツ・ラング.ハワード・ホークス.アルフレッド・ヒッチコック.そしてイングマール・ベルイマンまで。特にベルイマンの"不良少女モニカ"が"勝手にしやがれ"と"大人は判ってくれない"のオマージュ元になっているというのが興味深く、ロッセリーニのスタイルがヌーヴェルヴァーグの元になったという話も感心。まだまだ知らないヌーヴェルヴァーグの世界、これから見ていく上ですごく勉強になったしめちゃくちゃいろんな作品が見たくなった。
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