まぐろさばお

インベージョンのまぐろさばおのネタバレレビュー・内容・結末

インベージョン(2007年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

もともとの58年恐怖の街は共産主義VS資本主義、吹き荒れたマッカーシズムの赤狩りを彷彿とさせるものだったが、今回は小ブッシュやロシア外交官、北朝鮮などがチラッと出てくるように NATO VS 東側諸国のニュアンスがちらほら見え隠れしている。

88年のカーペンターの「ゼイ・リブ」では、社会的ハイクラスを占めている宇宙人に対抗する貧乏地球人たちがひたすら「暴力こそ全てを解決する」とばかりに暴力に訴えるが、今作ではそこに比重を置いている。

アメリカは正義を名乗るが、まさにアメリカやNATOこそが戦争加担の最たる国であるという皮肉が見え隠れしている。だからこそこの前年の007のクレイグをキャスティングしたのかもしれない。一方でエイリアン側にはどうも他者記憶がシェアされていることが示すように個人主義的な感性がまるで存在せず全体主義的なものを示しているように見える。

とにかく都合4回もこすりにこすったボディスナッチャーだが、刻々とテーマを変えまだ生き続けているのは非常に興味深い。