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父 パードレ・パドローネのsonozyのレビュー・感想・評価

父 パードレ・パドローネ(1977年製作の映画)
4.0
イタリアの荒涼とした孤島を舞台に、後に言語学者となる羊飼いの青年と粗暴な父との確執を綴ったガビーノ・レッダの自伝小説をタヴィアーノ兄弟が映画化。カンヌ国際映画祭 パルムドール& 国際映画批評家連盟賞受賞作。

家父長制の見本のような、威圧的に家族を支配する羊飼いの父エフィジオにより、羊飼いになるのに学問など不要!と小学校も辞めさせられ文盲のまま20歳となったガビーノ。

ある日、旅芸人の少年のアコーディオンに惹かれて羊と交換に手に入れ、隠れて練習して上手くなる。(すぐに叩き壊しそうな父も何故か許している)

やがて、軍へ入隊、読み書きから学び直し、父との確執を乗り越え、サルディーニャ方言の研究で学位を取得し、教職・言語学者・作家になるという物語。

父のガビーノへの暴力、動物の殺生、少年たちの獣姦など、動物的/原始的な営みも含め、物凄い物語ですが、過酷ながらどこか可笑しみも漂う名作です。

ガビーノ・レッダ本人も出てきますが、あれだけの父との確執がありながら故郷に戻り活動を続けるという生き方も凄いなぁ。
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