彦次郎

ONE PIECE ワンピース THE MOVIE エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜の彦次郎のレビュー・感想・評価

3.6
高熱で倒れた航海士ナミを救うため冬島に立ち寄った海賊団一行がトナカイ医師チョッパーと出会うシリーズ9作目。前作同様に原作総集編のような感じですが原作者である尾田先生が参加したことで毒キノコ野郎ムッシュールがオリジナル敵キャラとして参戦しております。それだけでなく既にロビンやフランキーが仲間になっている等原作とは異なる世界線なので前作とは異なる気概を感じました。それでも原作の感動を知っている方はそのまま楽しめる仕様になっているでしょうしタイトル回収の「桜」もモノクロでは味わえぬアニメならではの演出だったと思います。
本作で印象深いのは2人の医師。
ブラックジャックの如き高額医療費を請求するドクターくれは。チョッパーの師匠にあたりますが豪雪の島にあってへそ出しファッションで身体能力の高い口の悪い女性(でもバカ息子は良い台詞)で130歳代という恐るべき生命力(医師狩りからも逃れている)を誇っておりチョッパーとは別のベクトルで存在感を発揮していました。
もう1人はチョッパーの父親代わりであるドクターヒルルク。詳しくは感動を損ねるので本編を参照していただきたいところですが幾つか簡単に記すとチョッパーの警戒を解くために極寒の中で全裸になるほどの漢です。多分モデルは赤ひげなのでしょうが善意の藪医者(患者を更に悪化させる)というとんでもない人ですがその信念と名言は本作でも出色かと思われます。
先にも述べましたが、原作未読で本作を観る人も少ないでしょうけど劇場版だけ観ていくと混乱しそうですがこの辺りは当時はどのような反応だったのか興味深いところです。
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