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マンマ・ローマのbrianのレビュー・感想・評価

マンマ・ローマ(1962年製作の映画)
4.8
元娼婦のマンマ・ローマ(アンナ・マニャーニ)と田舎で育てられた彼女の実の息子エットレ(エットレ・ガロファーロ)がたどる運命を描いた人間ドラマ。

冒頭、結婚披露宴の和やかなシーンではテーブルの下に豚が数匹いた。床は土である。あまり裕福ではないイタリアの風習に驚いた。これが作品のポイントのひとつといえるだろう。

久しぶりに会う母と息子。しかし、現実は厳しい展開になって幕を閉じる…。

A・マニャーニは喜怒哀楽を身体全体と表情の豊かさで表現。苦労を忘れさせるような大らかな笑い声が印象的だが、目の下にクマが目立ち眠れない日々が続いたのかもしれない。

パゾリーニはネオレアリズモの方法で映画を作った。貧困層に優しく心を傾け、権力に鋭い視線を浴びせていた。
ヴィヴァルディの協奏曲をテーマ曲にしている。傑作。

Dancing
https://youtu.be/LrnfaPtXnlE
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