安堵霊タラコフスキー

悲しみの青春の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

悲しみの青春(1971年製作の映画)
5.0
ヴィットリオ・デ・シーカの作品で最も鮮烈なのが自転車泥棒だとしたら、最も美しいものはこの作品だろう。

ネオレアリズモ的でもイタリア式コメディらしくもなく特段デ・シーカらしい要素は見当たらないのだけれど、最初の若者らが自転車で駆ける場面から陽光が眩しく美しい場面の連続で、終始形容し難い感動に包まれた。

時折挿入される主人公の子供時代の描写も寂寥感があって良い。

邦題が表すようにユダヤ人迫害を描いた悲劇的な映画ではあるけど、儚げながらとにかく美しい画面の為に何度も目を通したくなる傑作。