Baad

生きてるものはいないのかのBaadのレビュー・感想・評価

生きてるものはいないのか(2011年製作の映画)
3.9
石井聰亙(岳龍)監督の新作という事で、「ELECTRIC DRAGON 80000V」の様な楽しい映画だといいな、という期待を胸に、映画館に足を運びました。(ちなみに、初期の作品は全然見てません)

スクリーン上で展開される微妙にずれた軽妙な会話のやり取りを聞いているうち、これは舞台劇として見ても面白いかも、と思ったのですが、家に帰ってから検索してみると、やはり原作は戯曲でした。舞台でさえ、「ワン・アイデア」といわれたセリフの多い戯曲を原作に、よく二時間の長丁場を持たせたな、ということに感心することしきり。成功の鍵はキャスティングの上手さと演出、音楽の使い方でしょうか。

ジャンル的には「終末もの」なんでしょうが、この映画と比べると過去に見た同じジャンルの作品は予算をたっぷり使っていたわりにはなんとつまらくリアリティーに欠けていた事か(笑)!?。こういう作品を生み出してしまう日本の演劇(映画)環境というのは捨てたもんじゃない、と思いました。
まあ、この映画も突っ込みどころは多々あるんですが、荒唐無稽というほどではなかったですし、不謹慎ながら、見てとても楽しい映画でした。

(上手に映画にしたもんだ 2012/3/23記 一部削除)
Baad

Baad