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荒野の女たちのlemmonのレビュー・感想・評価

荒野の女たち(1965年製作の映画)
4.8
「私刑される女」を観た時に、女性を主役にした西部劇で「女群西部へ!」と並んで思い出したのが本作だったが、西部劇ではないか。


たまらなくカッコ良く、切なく、そしてその意志が美しい。
65年、描き切れずとも、とても悔しく、主人公の身に起きたことの残酷さが嫌気を指す。
ただその堂々たる姿に惚れる。
そしてクライマックスに言い放つ言葉。
最高だ!

ここでもまた信仰を批判とも取れる描き方。
白人たちの思考はまだまだ理解できんな。


本作のヒロインはアンバンクロフト。
そこいらの美人女優じゃあ、この役は無理。
ほんと素晴らしくハマる。
女性軽視がまだまだ色濃く残る時代背景にもメスを。その”女”を武器に、、、ここも苦々しいが、したたかに使う主人公。

あ〜いろいろ考えてまう。


他にも名女優のオンパレード。
「ホリーとアイヴィ」のマーガレットレイトン。
素晴らしき憎まれ役。
信仰の崩壊・残酷性を体現。
「無敵艦隊」「嵐が丘」のフローラロブソン。
「セールスマンの死」のミルドレッドダンノック。
「死刑執行人もまた死す」のアンナリー。
「ロリータ」のスーリオン。
そして「南部の人」のベティフィールド。

男優陣も「ローマの休日」のエディアルバート。
「街の野獣」のマイクマズルキ。
「スパルタカス」のウディストロード。
後者2人の格闘は見もの。2人ともメイクでアジア人に変身していて最初気づかなかった。


すごい作品。
濃厚なのに潔く描き切っている。
ジョンフォードの遺作がこれってすげーわ。
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