TaiRa

イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男のTaiRaのレビュー・感想・評価

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イタリアの首相ジュリオ・アンドレオッティの大スキャンダルを描いた映画。人間の領域からかなり逸脱している悪人っぷりに痛快さすら感じる。

まず用語解説をしないと映画を始められない程入り組んだ話。暗殺コラージュをノリノリの音楽に合わせて見せるオープニングがまず最高。ちなみに『ゴッドファーザー PARTⅢ』でもネタにされた男である。派閥メンバーが集まるシーンの完全にマフィア映画なキレキレっぷり。ソレンティーノお得意のパーティーシーンはやはり最高。いい大人が調子こいて遊んでる姿の、まあ卑近なことよ。編集や撮影、そして音楽のセンスの良さで難しい話も楽しめる。一番の見どころは何と言ってもトニ・セルヴィッロのアンドレオッティなりきり演技の面白さ(本人知らないのに)。奇人大悪党は殺しても死なない。この映画の公開時も本人はピンピンしてたし。2013年、94歳でやっとくたばった。

観終わって思ったのは、誰か才能ある人がプーチンの映画作らないかなぁ、ということ。絶対面白いから。
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