菩薩

美味しんぼの菩薩のレビュー・感想・評価

美味しんぼ(1996年製作の映画)
4.2
こう見えて原作73巻までは所持してるマンなので言いたい事が無いわけでもないが、原作の栗田しゃん、しかも初期栗田(7巻まで、髪型がババア化する前まで)の可憐さを実写で再現するのは到底無理なのであり、羽田美智子に非は無いものと考える。山岡のアウトローさや雄山のアナーキーっぷりもかなりなりを潜めているが、原作を多少なりとも踏襲しようとの意思が見える前半から、好き勝手に森崎節が炸裂していく後半にかけての飛躍が本当に面白いし、これを観た人の大半は「まさか煮豆で泣くなんて…」との感想を抱くのではないか。佐藤浩一の起用は三國側の指名らしいが、これ以上のキャスティングなどあり得ないし、本当のところは大原社主の料理を通して二人の仲をなんちゃらかんちゃら…との台詞自体が監督の目指すところだったのではないかと邪推する。樹木希林のコミカルな演技からの「士郎ちゃんやないの!」で爆泣き、そっからずっと泣くし、この時期の遠山景織子最強に可愛いし本当に不健康そう。煮豆シークエンスずっと観てられる、もっと灰汁を取ってくれ。士郎のチャリに余裕で追いつく雄山の脚力とは…。
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