よつ

アリスのよつのレビュー・感想・評価

アリス(1988年製作の映画)
5.0
面白かった!可愛さと気持ち悪さがミックスされてすごく素敵な世界観になってた。

おもちゃや家具の塗装の剥げ方が絶妙。使い古されたものたちに物語性を感じた。
ものすごく質感がいい映画だったなと思う。調度品のヴィンテージ具合はもちろん、水滴のトロッとした感じとかクッキーを噛む音、肉がひとりで動くビタビタした感じとかすごく好きだった。

出てくるものは全部現実のものなのに、アニメにすることでリアルなものがリアリティあるものに変わるのが面白い。ハサミとか、多分普通の映画の中で撮ったらただの古いハサミなのに、アニメの媒体に通したらリアルとは外れた、リアリティあるものに変化するのが不思議だった。そこに愛しさを感じた。

不思議の国アリスがベースにはあるけど、ものすごくアイデアと趣向が凝らされた映像や装置ばかりで飽きない。どのシーンも繋ぎもワクワクした。ドアを開ける、引き出しを開けるっていう単純な繋ぎにワクワクさせられる。洗濯ものをかき分けていくとかも好きだったけど。

冒頭の、色んなものが置かれた棚を見ながらエレベーターみたいに降りていくシーンかっこいい。
缶詰開けたら虫がいっぱい出てくるシーンはウェ!!ってなった。
人形になったり元に戻ったりするときに写真(?)を使ってコラージュっぽくしてるのがよかった。

面白かったしワクワクした。
よつ

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