響介

細雪 ささめゆきの響介のレビュー・感想・評価

細雪 ささめゆき(1983年製作の映画)
3.3
谷崎文学の映画化。冒頭のタイトルバックで満開の桜に一瞬赤い帽子の幼稚園児の集団が映る瞬間があって、その一瞬の配色がとにかく美しかった。着物やスーツなどの衣装も当時の物を再現し凝っていて素敵。着物は白地から染め上げて作ったとか。そして、全編通して吉永小百合をはじめとする四姉妹のお顔が整いすぎ…。
小西康陽氏が映画鑑賞の醍醐味として、(実生活では恥ずかしかったりしてなかなかジロジロと見れないけど)美しい女性の顔をまじまじと見れることを挙げていた(正確な言い回しではなく、うろ覚え)けど本作は完全にそんな映画として観ました。ストーリーは正直面白くはなかったかな…。谷崎文学の映画化の割には、エロティックな感じはそこまでなかったかな。
同じ谷崎作品の映画だと、増村保造の『痴人の愛』の方が人間が狂っていく様が見えて好きだったかな。
この手のジャンルには珍しいシンセを多用した音楽がフックになっている。
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