スギノイチ

裸のジャングルのスギノイチのレビュー・感想・評価

裸のジャングル(1966年製作の映画)
3.5
まあ古い映画だし、と油断していると冒頭の原住民たちの蛮行にビビる。
寄ってたかって槍で刺し殺すとか、拘束した状態でコブラに襲わせるとかはまだ可愛い。
木の実に泥を混ぜたもので全身を固められて棒に固定さたまま丸焼きにされたオッサンはトラウマになった。
泥で表情が全く見えず、呼吸用の木管から「フゴーッ!」と叫びかどうかも分からん音が聞こえるのがもう…
仰々しい演出無く、さらっと当たり前の様に行われる残酷演出が狂っている。
ヤコペッティ映画の胡散臭いナレーションが恋しくなってしまう。

逃亡が始まって以降は碌に台詞も無いが、追手の原住民達が殺気みなぎり過ぎていて緊張感が途切れない。
随所に差し込まれるモンド映画的な動物描写とか、全く台詞の無い部族間の虐殺シーンとか、妙に淡々と繰り出されるキワモノ描写がシュールで不気味。
ラストは非常に男臭いオチで、その後の作品群への影響を感じさせる様な熱い展開が待っている。
でも、「これで一件落着、いい戦いだった」なんて気分にはとてもなれないぐらいおっかない連中だったぞ。
ていうか、とにかくあの丸焼き処刑が怖すぎ!
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